金曜日

不安性人格障害とは

不安性人格障害は別名回避型人格障害とも言われています。特徴としては常に不安を感じている、人に対して劣等感を感じている、人からの批判や拒否的態度に対して異常に敏感に反応する、相手が自分を好きであるという確信がないと人間関係を持てないなどの特徴があります。

不安性人格障害の方は、このように常に社会に対して人に対して、過敏に不安や恐れを抱きやすいとも言えます。だから当然社会的な様々な集団や組織に対して回避的にもなるわけです。
また、思い込みも激しいので、人から言われたことを極端に考えてしまう傾向もあるようです。

このように不安性人格障害と似たような疾患として、神経症におけるパニック障害や社会恐怖などが挙げられますが、パニック障害の場合は一過性であるのに対して、不安性人格障害の場合は、症状が慢性的になるという点が違いといえるでしょう。

火曜日

多重人格障害について

多重人格障害という名前はよく聞きますが、多重人格障害という疾患名は適当ではなく、解離性同一障害といった方が正式であるようです。特徴としては自分の中に別の人格が2人以上いる状態です。ある人は24人いる人もいたと聞いています。

このような多重人格障害は、普通であればある人格は連続して明日も明後日もつながっていますが、多重人格障害の場合は、この連続性がたたれている状態と言えます。

要するに記憶が連続していないとも言えます。

なぜこうした多重人格障害になるかというと、一種の心理的な回避だと考えられます。自分にとってショックな状態、受け入れがたい問題などがあると、ある人はそれから回避するように脳がその記憶を削除してしまいます。

もし受け入れてしまうと生命的な危機があると脳が判断するからです。

多重人格障害の場合は、こうした自分には受け入れがたいものからの回避として、自分とは違った全く別の人格を作り出しているのではないかと考えられます。

治療としては、カウンセリングなどで人格を一つにまとめていく、もしくは複数の人格を保持しつつ日常生活を送れるようにする、抗不安薬などの薬物療法を行っていくようです。

人格障害と遺伝について

人格障害は遺伝するかというと、全くしないということはないが、ほとんど遺伝しないと言われています。

どちらかというと、発症も10代後半からですし、幼いころからの生活環境が遺伝よりも関係性があるのではないかと思われます。

かといって人格障害の場合、うつ病やパニック障害のような症状も合併していることが多く、現在ではそううつ病との関連性が言われていますので何らかの脳の器質のようなものは遺伝する可能性もあるかもしれません。

環境でいえば人格障害の場合、親に過保護に育てられ、分離不安を乗り越えられなかったり、逆に劣悪に育てられたりといった環境では人格障害になりやすいといえます。

いずれにしても、まだ精神医学でも人格障害の遺伝性については確かなことは分かっていません、生活環境がやはり重要視されているようです。

月曜日

人格障害の有名人

人格障害は、性格的な片寄の障害とも言えますが、反面芸術的な才能、人を引き付ける魅力を兼ね備えている場合も少なくありません。人格障害の有名人も世界中にたくさんいます。

日本で人格障害の特徴をもった有名人としては、太宰治が有名です。彼の小説、人間失格を見ると人格障害の特徴がかいま見られますし、人間失格の主人公と太宰治自身は結構似ていたそうです。

繰り返される自殺企図、道化を演じるところ、全般的な不安感、虚無感といった様子がよく小説の場面に出てきます。

太宰治だけでなく、ダイアナ妃、マリリンモンローなどもそうであったと言われています。

なぜそのような人がこうも人を魅了するのかはわかりませんが、人間というものは自分以外にないものに興味を持つということでしょうか。

人格障害の有名人を見ていると、その魅力に引き込まれそうになります。何かが欠落しているということは、逆にいえば何かにたけているということが言えるのではないでしょうか。

金曜日

人格障害の薬

人格障害は性格的な偏りが、障害となるものなので、薬を服用すれば治るという性質ものではありません。

最近では人格障害と、躁うつ病の関係が言われているように、人格障害の方はうつ状態になる人もいますし、ある場面では極度の対人恐怖や、緊張感が強く現れるケースがあります。

人格障害の方の中には、抗うつ薬や、抗不安薬、精神安定剤、睡眠薬といった薬を服用されている方は、かなりいると思います。

ただ、これはあくまでも、精神的に安定させるもので、性格的に変えるというものではありません。人格障害の治療は、以下に性格的な歪みを改善し、良好な社会生活を送れるようにするかということがポイントになると思います。

だから薬はあくまでも、人格障害を完全に治すものではなく、補助的なものであると考えられます。
同時に、人格障害特有の心の不安定さは、時として破滅的になったりもしますからそれらの衝動を抑えるという働きも薬にはあるかもしれません。

水曜日

境界性人格障害と接し方

境界性人格障害の人との接し方には、ある程度意識していないと思いっきり巻き込まれてしまうことがあります。

うまくこちらが距離を置いていないと、境界性人格障害の人の場合どんどんと自分のスペースに入り込んできます。

そのような状況になると、相手は過度に依存してくるかもしれません。

基本的に境界性人格障害の方は、白と黒がはっきりしているので、自分に過度に依存していたかと思うと、強烈に批判されることもあります。

こちら側もそのような態度には苦しめられることになるかもしれません。もちろん境界性人格障害の人も自覚はない場合が多く、意識して巻き込もうなんて思っていないかもしれません。

ただ巻き込まれた方としても、特に情が深かったりすると大変な目に合うかもしれません。

ですので境界性人格障害の人との接し方は、うまく距離をとるということ。もしとれないようなら関わらないという選択がベストです。

これが医療関係者なら、なおさらに境界性人格障害の方との接し方には十分注意が必要です。言葉も慎重に選ばないと、変なとらえ方をされて非難されて、自分でも自信がなくなってしまうこともあります。

それでももし、本当にこういった方と接したいと思うなら、一緒に添い遂げるぐらいの覚悟が必要かもしれません。

月曜日

人格障害の治療について

人格障害の治療は、薬を飲めばどうにかなる問題ではないです。抗うつ薬を服用していたりもしますが、根本的な人格障害の治療にはなりません。

まず人格障害というカテゴリーに含まれていても、本人が自覚できないことが多いと思います。ですから治療をしようと思わないケースもあると思います。

例えば、境界性人格障害のタイプに入る人なんて、いっぱいいると思います。そういう方でも、治療をせずに社会的に成功したり、普通に生活している人もいるでしょう。

人格障害で治療に結び付く場合は、自殺や自傷行為があったり、人間関係のトラブルなどがあったり、抑うつ状態があったりして医療機関にかかることが多いのではないでしょうか。

そのような、出来事があってその後で治療が開始されるということになると思います。

人格障害の治療で大事なことは、自分自身の考え方というか認知と自分がいかに向き合うことができるかということが治療の焦点になってくると思います。

ですからカウンセリングや認知行動療法などを治療に取り入れている医療機関もありますが、最終的には考え方や認知のゆがみを少しでも改善して、より良い生活を行うために行います。

人間の認知や考え方がそうすぐには変わるはずもないですから、治療者との長い信頼関係なども治療の結果に影響すると思います。

長い時間はかかるかもしれませんが、いつか自分の考えや認知を客観的に見ることができり、気づいたりしながら、徐々に問題も改善していくのではないでしょうか。